1年間の浪人生活の振り返りと反省②

前回に引き続いて、理科と社会についてまとめた後、オススメの教材を紹介しようと思う。

④社会

 私はセンターを世界史と倫理で受けた。第一志望では社会科が1科目のみでよかったので、第一解答科目を得意な倫理にして、世界史はほどほどに切り捨てることにした。この方法は多くの受験生には通用しないので、参考にならないだろう。

 倫理は地歴や倫政に比べて、覚えることも必要な頭の使い方も少なく、選べるなら選びたいところだ。政経と比較しても、ややこしい選択肢は少なく、高得点が安定して取れる。一方で、倫理の授業を開設していない高校があることや、市販の教材が圧倒的に少ないことなどの欠点もある。しかし、センターまでならば教科書と過去問、一問一答集などで十分対応できる。倫理を二次試験に使える大学は限られているが、あえて使うならば資料集を読み込んだり、知識を体系的にまとめたノートを作るといった勉強法が必要になるかもしれない。

 世界史は理解と暗記が二重に課され、難しい科目だと感じた。世界史には様々な分野があるが、センター試験では同時代に複数の地域で起こった出来事を把握したり、一つの地域での年表を完成させたりできる能力が必要である。いわゆる「タテ」と「ヨコ」をともに覚え、理解することが必須の要件なのである。繋がりを理解し記憶できれば解けるが、多大な連関の知識を押さえること自体難しい。しかし得意な人からすれば楽しく学べるかもしれない。勉強法といえば教科書の読み込みと資料集の活用だ。過去問もかなり有効なので、過去問を何年分もやり込むとよいだろう。

 また、倫理と世界史では知識の領野が被っている。そのため、倫理で覚えたことが世界史に活かせ、その逆もしかりである。日本史以外の社会科目を履修した経験のある自分としては、世界史、倫理、政経はかなり繋がっている。日本史もおそらく倫理を学ぶ際に大いに役立つ。(倫理には日本思想、東洋思想が含まれるため。)公民が使える大学を受験するならば、地歴1+公民1という組み合わせが効果の高いものだと言えるだろう。

 

⑤理科

 文系では理科基礎2科目という取り方が最もポピュラーだろう。私は化学基礎と生物基礎を選択した。

 この2つのうち、化学基礎は特に簡単だと感じた。私は物理基礎を履修した経験もあるが、公式の暗記と理屈の理解が苦手だと感じた。生物基礎は暗記量が多い。地学基礎も暗記することが多いと聞く。その中で、化学基礎は言葉の定義や単位の使い方から始まるため、覚えることも少なく、難しい理論もない。計算問題は出るが、難問はほとんどない。過去問もしくは黒本で演習を積み重ねれば満点も取れるはずだ。

 生物基礎は先述した通り暗記量が多いので、継続的な勉強が必要である。また、生物の具体例を知っている必要がある問題も出る。教科書よりは、よくまとめられた参考書を使って覚えた方が良さそうである。計算も少し必要にはなるが、同じような問題を何回かやれば戸惑うことはなくなるであろう。

 

 

次に、私が浪人生活およびそれ以前の生活で実際に使用し、「これはやるべきだ!」と思った参考書や問題集をいくつか紹介しよう。なお、名称は正式でない場合がある。また、国公立の二次試験を想定している。

 

1.『上級現代文Ⅰ』

 言わずと知れた(?)現代文の問題集。評論が多い。全て記述で、国公立対策に向いている。解答解説に採点基準が載っているため、自己採点がスムーズに行える。また、サイズが大きいため読みやすく書きやすい。問題文には興味深い題材が多く、教養を深めることもできるだろう。ちなみに『上級現代文Ⅱ』もあるが、最難関向きであり中堅以下の大学を受けるならⅠで十分だと思う。

 

2.『チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(青チャート)

 網羅系参考書としては有名。色によってレベルは異なり、赤チャートに次ぐレベル。センターより先にも対応している。基礎から応用まで幅広く扱っているため、点数に伸び悩むならば青チャートをやりこむべき。Ⅱ+Bももちろん同様。私は『Focus Gold』も使用したことがあるが、青チャートの方が簡単な部分の扱いもあってやりやすかった。辞書的な使い方ならばFGの方が適しているかもしれない。

 

3.『得点奪取 古文』 『得点奪取 漢文』

 これはツイッターで薦めてもらった問題集だ。記述対策ができる古典の問題集自体が少ない中で、15題程度の問題を収録しておりまともな作りになっている。得点奪取シリーズには現代文もあるが、得点奪取シリーズは本のサイズが小さいので解きにくく感じ、現代文の問題集としては先述のものが良いと思う。古典に関しては該当するものがこれしかなかった。私はセンター後にやったが、歯応えのある問題が多く、力試しにはなった。

 

4.『センター試験過去問題集 英語 必修版』(東進)

 東進の緑色の過去問題集。必修版なので筆記とリスニング両方の10年分の過去問が収録されている。

 これを薦めたい理由は、リスニングの過去問が10年分入っているからだ。赤本や他の問題集では、リスニングの過去問をここまでカバーしていない。音声データはwebでダウンロードする必要があるが、10年分解けることの利が強い。10年分という分量も絶妙で、まさに必修版と言える。これだけやれば必要な点数は取れるはずだ。

 

 

 

オススメの参考書、問題集については、また思い出したら追記するかもしれない。

 

 以上が、私の1年間の浪人生活で得た受験に関する知見である。あくまで私の場合であるので、参考になるかは分からない。何かの科目が初学であったり、再受験である場合には適さない可能性が高いことを留意いただきたい。

 最後に、私を1年間支え励ましてくれた仲間や先生に感謝を述べて、締めさせていただく。本当にありがとうございました。無事に受かることができました。今後は1年間の遅れを全力で取り戻していきたいと思います。